【社会科】暗記をゴールにするな! 〜28年かけてたどり着いた勉強方法〜

目次

暗記をゴールにするな。──28年かけてたどり着いた、社会科の本当の勉強方法

「社会は暗記教科だから」「暗記すれば大丈夫だから」

私はこの言葉を、中学生のころからずっと聞かされてきました。
そのたびに、なんかモヤモヤしてたんです。本当にそうなのかな、って。

でも答えが見つからないまま、大人になって、学校の先生になって、オンライン家庭教師になって──
教える立場を10年続けてきた今、ようやくその答えが言えるようになりました。

この記事の結論(記事が長いので先に言っちゃいますね笑)
暗記をゴールにするな。理解をゴールにする。

理解すれば自然と暗記される。つまり、暗記をゴールにしなくても、大丈夫

もしあなたが「社会、暗記してるのに覚えられない」「ワーク3周しても点が上がらない」「勉強してもまた忘れる」「そもそも社会が好きじゃない」と感じているなら、この記事はきっと役に立ちますよ。

逆に「社会は好きだけど、もっと伸ばしたい」という人にも、意外と見落としているポイントがあるかもしれません。

※ YouTubeに同じ内容の動画もあるので、文章を読むのがちょっと・・・という人は「目次」の上の動画をご覧ください。

社会科が苦手・嫌いになる、本当の理由

理由①:そもそも量が多い

まず安心してください。皆さんの頭が悪いわけじゃないです。

私は元中学の社会科教員ですが、教える側から見ても「こんなにやるのか」と思うほど、社会科は量が多い。

なんでこうなっているかというと、元をたどれば大学受験の詰め込みに由来しています。

大学受験が細かいことまで聞いてくる → 高校の授業も細かくなる → 高校入試も細かくなる → 中学の授業も細かくなる。

こうやって上からどんどん降りてくるんですよね。

しかも、社会科の先生って「あれもこれも教えたい」という人が多い笑。

こだわりや情熱が強いからこそ、教科書以外のことまで詰め込んでしまう。

実際、私の生徒さんの学校では「東京23区テスト」を出す先生もいました。

練馬区とか港区とか全部覚えろという。いかにも社会の先生あるあるです。

つまり、量が多いのは皆さんのせいじゃない。国の仕組みの問題です。

理由②:スピードが速い

3年間でこの量を教えるとなると、どうしても詰め込まざるを得ません。

しかも先生には異動がある。

「自分がいなくなった後の先生に迷惑をかけないように」と、早め早めに進めてしまう先生が多いんです。

量が多くて、スピードも速い。そりゃ大変になりますよね。

理由③:一度つまずくと、流れが分からなくなる

ここが一番大きい原因かもしれません。

【歴史の場合】

例えば、「聖徳太子が中国・隋に使いを送りました」という記述が教科書にあったとします。

これを読んで「ふーん」と思うだけなら簡単です。

でも、なぜ聖徳太子が使いを送ったのか。その背景を知らないと、本当の知識として定着しません。

実はこの留学先の中国は世界四大文明のひとつ。

つまり、世界でいち早く発展していた地域だったんです。

日本より先にめちゃくちゃ進んでいた国に、「文化を学びに行った」

──そう理解できると、聖徳太子の行動がストンと腑に落ちるんですよね。

でも教科書には「日本より先に発展していたので使いを送りました」とは書いていない。

余計な情報はそぎ落とされちゃうから。

ざっくり言うと、伏線回収がわからないドラマを見ているような状態です。
前の話を知っている人は「ああ、そういうことだったのか!」と面白く感じる。
知らない人は「何が何だか……」と、ドラマを見るのをやめちゃう感じですね。

【地理の場合】

地理は歴史とは少し違って、積み重ねが足りないとわからなくなるタイプです。

例えば「長野県と北海道は寒い」という話が出たとき。

そもそも長野県と北海道がどこにあるか分かってないと、話についていけない。

さらに「なぜ寒いのか」も、前提知識がないとピンとこない。

  • 北海道が寒いのは → 緯度が高い(赤道から離れている)から
  • 長野県が寒いのは → 標高が高い(山の上にある)から

こういう前提知識があればストンと理解できるけど、なければちんぷんかんぷんです。

だから地理は数学や理科に近いんですよね。足し算ができるから掛け算ができる、みたいな積み重ねが必要なんです。

理由④:「社会=暗記科目」という刷り込み

これが、一番やっかいな原因です。

社会科って、覚えたことがそのまま聞かれることが多い教科なんですよ。

「聖徳太子」って答えが出る問題、「都道府県の位置を答えなさい」みたいな問題。

だから、暗記でうまくいった経験がある人は「社会は暗記で大丈夫」と思ってしまう。そしてそれを子供にも伝えてしまう。

でも、その刷り込みを鵜呑みにしてしまうと、間違った暗記勉強法を生み出してしまうんです。

「暗記=社会科」の罠──聖徳太子をノートにびっしり書いた子の話

私が大学生のとき塾で教えていた子のエピソードなんですけどその子は、「聖徳太子」という文字をノートにびっしり書いていたんです。もう、気が狂ったんかってぐらい。

びっくりして「どうしたの?」って聞いたら、こう言うんです。

「聖徳太子が覚えられなくて、一生懸命練習してるんです」

私は衝撃で固まりました。何て言っていいかわからなくて、「あ、そうなんだ……頑張ってね」としか言えなかった。

帰りのチャリンコの上で、考えてて気づいたのは
「あの子は、暗記で乗り越えられると思っているから、一生懸命ああいう勉強をしてるんだ」と。

でも、想像してみてください。「聖徳太子」とノートにびっしり書いたとて、複雑な問われ方をされたら答えられないですよね。

そうすると──

  • 一生懸命やったのに、テストで答えられなかった
  • 勉強自体が嫌になる
  • 自分が悪いんだ、と思ってしまう

でも、その子が悪いわけじゃないんです。方法が違っていただけ。

これが「社会=暗記」という勘違いが生んだ悲劇です。

暗記をゴールにしてしまうと、こういうことが起きるんですよね。

予習・授業・復習の優先順位

予習は優先順位が低い

社会が苦手な人にとって、予習は最優先でやるべきことではありません。その時間があるなら、復習に充ててください。

なぜかというと、教科書は「知識の完成形」だからです。

これは大学の講義で教わったたことなのですが、教科書に書いてあるのはゴールの状態。途中のプロセスが全部すっ飛ばされているんです。

カレーに例えるとこうです。

教科書は「出来上がったカレー」そのもの。
生まれて初めてカレーを見た人に完成品を出しても、材料も手順もわからないですよね。

「なんかしょっぱいし、後から辛いし、ジャガイモっぽいのが入ってる?」くらいしか分からない。

「じゃあこれ作ってみろ」と言われても無理。たぶん、全然違う料理が出来上がるでしょう。

授業は「一緒にカレーを作ること」です。

材料を見せてもらって、手順を一緒にやって、初めて「ああ、こうやって作るのか」と分かる。

だから、教科書を読んで「全然わかんねえ」と落ち込まないでください。

教科書がつまらないし、読んでもわからないのは当然なんです。

授業は350時間もある。活用しないともったいない

中学校の社会の授業はおよそ350時間。ポケモンのクリア時間が20〜30時間だとすると、相当なボリュームですよね。(やりこめば100時間も余裕でしょうか笑)

もちろん先生の上手い下手はあります。プールの後の社会の時間で、授業があまり上手くない先生に当たったら……悲惨です。(私のことです)

でも、350時間をまるごと無駄にするのはもったいない。

授業で全部を完璧に理解する必要はありません。

ただ、「何がわからないかをあぶり出す場」として使うのがおすすめ。それだけで復習がグッと楽になります。

復習こそ最優先

勉強の基本はシンプルです。

  1. 頭の中に知識を入れる
  2. その知識をテストで引っ張り出せるか確かめる

多くの人がやりがちな「ノートまとめだけ」「教科書を読むだけ」では、①はできても②ができていません。

だから点数が上がらない。問題を解いて確かめること、これが復習の核心です。

授業の活用法──「聞く」は「考える」とセット

授業中のミッションは、「わかる」と「わからない」を仕分けすることです。

先生の話を聞きながら、ざっくりでいいから「あ、これはわかるな」「これはわかんないな」と頭の中で分ける。

「わかった気」でも大丈夫です。なぜなら、復習のときにちゃんと検証されますからね。

問題を解いてみて解けなかったら、「わかってなかったんだな」と判明します。

ここで大事なことをひとつ。

「先生の話をよく聞きましょう」って、当たり前すぎて馬鹿にされそうですが、実は人の話をちゃんと聞くのはめちゃくちゃ難しいんです。右から左に抜けていくこと、多くないですか?

「聞く」って、ただ耳に入れるだけじゃなくて、「考える」がセットなんです。

話が入ってきたら、頭でパッとキャッチして、わかるかわからないかを判断する。

これは高度なスキルだし、最初からできなくて当然です。

あと、わからないことは早めに解消するのが鉄則。

後回しにすると「何がわからなかったんだっけ?」と思い出すところから始めなきゃいけなくなって、どんどん面倒になります。

ワーク・問題集のおすすめ勉強法

1周目の3ステップ

① シャーペンで解く(何も見ずに)
→ 10問あって2問しか埋まらなくてもOK。気にしない。

② 青ペンで調べて書く(教科書・資料集を使う)
→ 答えを見るんじゃなくて、自分で教科書から探す。問題文がヒントになることが多いですよ。

③ 赤ペンで答え合わせ
→ 間違えたところ、調べてもわからなかったところは赤で正しい答えを写す。

シャーペンと青で半分ぐらい埋まったら、1周目としては万々歳です。

理論上は、青と赤の問題を周回して、全部シャーペンで解けるようになれば完璧ということになります。

全く書けない人はどうする?

何もしないよりは、答えを赤で丸写しするところから始めてください。ただし、そこで終わらないこと。

写した答えを教科書から探すんです。「あ、ここに書いてある」と見つけたら、マーカーを引く。

読んでわからないところは誰かに聞く。

このレベルだと一人で勉強するのはかなり厳しいですね。友達、先生、親、AIでもいいので助けを求めてください。

最大のコツ:小分けにする

見開き10ページをまとめて解いて、最後に答え合わせ──やったこと、ありませんか?

そして、答え合わせをやらなかったこと、ありませんか?(もちろん私のことです)

なぜ面倒くさくなるかというと、後からやると「思い出すところ」から始めなきゃいけないからです。

しかも人間って、丸付けが嫌いな生き物なんですよ。

間違えることは痛みを感じることだから。でも、間違えても死ぬわけじゃないですよ。

だから、10問あったら2〜5問ずつ区切って「解く→調べる→丸付け」を繰り返してください。

気持ちはわかります、提出するためにとにかく埋めることを優先しちゃうことがほとんどだと思いますが、埋めるだけではただの腕の筋トレです笑

時間はかかりますが、まとめて解いて答え合わせをおろそかにするよりも、よっぽど身につきます。

注意:問題文と答えをセットで暗記してしまう罠

何周もしていると、「1+1=2」みたいに問題文と答えをセット(私は呪文と呼んでいます)で覚えてしまう人がいます。

これだと問題の聞かれ方が変わった途端に解けなくなるんですよね。

判断基準は

「小学3年生にわかるように説明できるか?」
(これは私の父の教えです)

友達(同い年)に説明できるだけじゃ足りない。

弟や妹がいると想像して、小3にわかるように説明できたら、本当に理解している証拠です。

暗記・覚えるコツ──理解をゴールにする方法

さて、ここからが今日のメインです。

大前提として、覚えられるなら方法は自由です。

語呂合わせでも、歌で覚えるのでも、何でもいい。目の前の小テストや定期テストは、丸暗記でも比較的乗り越えられますから。

でも、暗記をゴールにするんじゃなくて、「理解すること」を目的にしてほしい。理解していれば、勝手に暗記されているんです。

コツ①:回数(単純接触効果)

いきなり根性論か、と思うかもしれませんが、これは「単純接触効果」という心理学の専門用語です。

興味がなかった人と何度も会ううちに好きになったり、名前も全然興味なかったのに何回か喋ったら覚えたり。触れる回数が増えると、人間は勝手に頭に入れてくれるんです。

社会科も同じ。何度も触れることで覚えやすくなります

コツ②:好きになること

ポケモンが好きなら、ポケモンの曲名も歌詞も覚えられますよね。推しの曲だって歌える。好きなことは覚えられる。

最初から社会を好きになれとは言いません。

でも、正しい勉強法で点数が上がると、ちょっと嬉しくなる。嬉しいから前向きになる。前向きだからまた伸びる。このポジティブな循環ができると、少しずつ好きになっていく可能性があるので、社会を頑張りたい!という人にはおすすめのアプローチです。

コツ③:周辺情報とセットにする

仲の良い友達のことを考えてみてください。見た目、好きなもの、話したこと、仕草……いろんな情報がセットで頭に入っていますよね。

知識も同じです。周辺情報とセットにすると、圧倒的に定着しやすくなる。

例えば聖徳太子なら──

  • 飛鳥時代の人
  • 冠位十二階を制定した
  • 十七条の憲法を作った
  • 天皇中心の国づくりを進めた

覚える量を増やすのは怖くないですか?

ただでさえ覚えるのが大変なのに、さらに増やすなんて・・・

でも、結果的にそれが一番の近道なんです。
くっつける情報の量を増やすことで、理解が深まり、自然と記憶に残る。騙されたと思ってやってみてください。

最強の武器:エピソード記憶(ストーリーにする)

人間って、事実そのものよりも物語のほうが圧倒的に頭に入りやすい設計になっているんです。

小さい頃に読んでもらった絵本──桃太郎、金太郎、ぐりとぐら。ストーリーって、不思議とずっと覚えていますよね。

なぜだと思いますか?

ちょっと原始時代に戻ってみましょう。

長老が焚き火を囲んで話をします。「あの草むらには猛獣がうじゃうじゃいるから入ってはいけない」「あの洞窟にはクマが住んでいるから奥に行ってはいけない」

この話を聞かずに、鼻くそほじったり「腹減ったな」とか考えていた人は……やってはいけないことをやってしまう。

結果、襲われて死んでしまう。

つまり、ストーリーを聞けない人は淘汰されてきた。
だから私たち生き残っている人間は、ストーリーが頭に入りやすいように設計されているんです。

社会科で「流れで覚えるといいよ」とよく言われるのは、この人間の設計に合っているからなんですよね。

例えば聖徳太子なら──
「家柄にとらわれない仕組みとして冠位十二階を作った → 組織の心構えとして十七条の憲法を定めた → 遣隋使を送って → 天皇中心の国づくりを進めた」

こうやって流れで整理すると、理解しやすくなりますよ。

ノートまとめは「メイン」にしない

最後にひとつ注意点。ノートまとめを勉強の中心にするのは、おすすめしません。

私もノートまとめが大好きでした。朝から晩まで、一日中ノートをまとめて「勉強した気」になっていた。でも、問題を解く時間がなくなって、結局点数は上がらない。コスパがめちゃくちゃ悪い。

ただし、問題を解いてわからなかったところを部分的に整理するのは効果的です。

年表にまとめる、地図で確認する、流れを図にする

こういう使い方ならノートまとめは効果バツグンです!

まとめ──あなたは必ず成長できる

できないのは、正しいやり方を知らないから。

正しいやり方を知ることが、成長の第一歩です。

だから、自分を責める必要は全くありません。

最後にこの話をさせてください。

赤ちゃんって、何もできない状態から生まれてきますよね。


首が座って、寝返りして、はいはいして、つかまり立ちして、歩けるようになるし
誰かが細かく教えているわけじゃないのに、ちゃんと成長していく。

人間は、成長するようにプログラミングされている

学校に入って勉強でつまずくと、「自分はダメだ」ってレッテルを貼ってしまうかもしれない。

でも、違う。元々あったやる気をどこかに落としてきたのでは?

だってよく考えてみてください。
テストは苦手だけど、ポケモンの名前は全部言える人、いませんか?
推しの曲の歌詞は全部歌える人、いませんか?

めちゃくちゃ知識、頭に入ってるじゃないですか。

覚えるのが苦手なんじゃなくて、興味がないことを覚えるのが大変なだけです。
ほとんどの人はそうだから、あなたが悪いわけじゃない。

今日、覚えて帰ってほしいことは

暗記をゴールにするな。
理解をゴールにしろ。

理解すれば、勝手に頭に知識が入りますよ。
だから暗記をゴールにしなくても、大丈夫なんです

ここまで読んでくださったお礼に

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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